(6)このような体の状態はどれくらいの頻度で起こるのですか?

 これは実はとても難しい質問です。なぜなら、はっきりした数字を確定するには、典型的な体からのどれほどの違いを性分化疾患としてカウントするか確定しなければならないからです。実際のところ、性分化疾患にカウントするには、どれくらいペニスが小さくなくてはならないのか、どれくらいクリトリスが大きくなくてはならないのかはっきりした合意はできません。

 ですが、いくつか特定の性分化疾患は極めて稀、すなわち約10,000人から20,000人に1人にしか起きないものだということははっきり言えます。たとえば卵精巣の発生は相対的に稀な現象です。しかしいくつかの性分化疾患はずっと多いものになります。たとえば尿道下裂(ペニス上の尿道の位置が典型的な位置にはない状態)は、男性の150人に1人の割合で起きると推定されています。

 主要な医療センターで働く専門家の見積りによると、病院で生まれる約2,000人に1人の赤ちゃんが、性別をすぐに確定するのが難しい、他の人とは違った性器の形をしていると示唆されています。しかし、先に述べた通り、体の性別の変異全てのタイプをカウントするなら、性分化疾患の割合は、2,000人に1人よりももっと多いと考慮されねばなりません。あるレヴューでは、約100人に1人が何らかの体の性の変異を持っていると見積もっています。

 ですので、性分化疾患は一般の人が考えるよりも普通に見られるものと言えます。もし中規模の町や数百人のお客さんがいるスーパーマーケットのようなところで考えるなら、性分化疾患を持った人は皆さんの周りにも生活していることになります。もしサッカースタジアムで試合を観戦しているなら、皆さんの周りには性分化疾患を持って生まれた子どもがいるのです。性分化疾患を持った人は、皆さんの家族、隣人、同僚、そして友達の中にもいらっしゃるのです。