性染色体モザイクとは何ですか?

 ほとんどの人は、その人を構成する細胞それぞれの中に、46個の染色体を持っていて、そのうちの2つが性染色体です。ほとんどの女性・女の子は2つのX性染色体(46,XX)を持っていて、ほとんどの男性・男の子はX染色体を1つとY染色体を1つ(46,XY)持っています。

 しかし、人々の中には、「モザイク型」の染色体、つまり、その人の細胞全てが同じ組み合わせの染色体とは限らない人もいます。「モザイク型」と呼ばれるのは、体が1色のタイルだけで作られているのではなく、様々な色のタイルで作られているような状態だからです。ある人が1組だけ以上の性染色体を持っている場合、その人は「性染色体モザイク」を持っていると言われます。

 つまり、ある細胞は46,XXで、ある細胞は46,XYという人もいますし、ある細胞は46,XYで、ある細胞は47,XXYという人もいるのです。更にまた、ある細胞は45,Xで、ある細胞は46,XXという人もいます。多くの様々な組み合わせがありうるのです。

 よくある誤解として、性分化疾患のすべての体の状態は、性染色体がモザイクになっているというものがありますが、実際には、性染色体がモザイクの性分化疾患はそれほど多くありません。

性分化疾患とは、「染色体、生殖腺、もしくは解剖学的に性の発達が先天的に非定型的である状態」のことで、「男でも女でもない」「中性」「第3の性」のことや、性同一性障害トランスジェンダーの人々、性自認のことではありません。)