性腺発育不全とは何ですか?

 「発育不全」とは、「正確に発達していない」状態、つまり本来期待されるはずのはたらきをしない器官の状態を表します。

 性腺発育不全とは、ある人の性腺(卵巣や精巣)が、胎児発達期に適切に発達しなかった状況のことを言います。発育不全性腺は、「線状(病跡)性腺」と呼ばれることもありますが、これは、通常の精巣や卵巣のような球状ではなく、細胞が筋状のような状態になっているからです。

 線状(病跡)性腺は、卵巣や精巣のような機能を果たしません。生殖機能を果たさないのです。ある状態では、性腺がんのリスクが高いため、診断後すぐさま外科的に切除されます。

 ターナー症候群スワイヤー症候群など、性腺発育不全を呈する性分化疾患は、様々に多くあります。

性分化疾患とは、「染色体、生殖腺、もしくは解剖学的に性の発達が先天的に非定型的である状態」のことで、「男でも女でもない」「中性」「第3の性」のことや、性同一性障害トランスジェンダーの人々、性自認のことではありません。)