(2)性分化疾患を持つと定義される人はみな、更に特定の医学的診断名を持っているのですか?

 性分化疾患の状態には、それぞれの身体状態の病因に基づいた特定の診断名がつくことがあります。(「病因」とは何かしらの状態の原因のことです)。たとえば、性分化疾患を持っていると判明した女性で、その体の状態が「完全型アンドロゲン不応症(CAIS)」と呼ばれるものであると知らされることもありますし、性分化疾患の診断を受けた男の子が、自分の体の状態は「部分型アンドロゲン不応症(PAIS)」と呼ばれる状態だと判明することもあります。

 しかし、他の人とは違った体の性を持つ子どもや大人の人の中には、多くの検査をした後でも、その原因がお医者さんにもはっきりしないという場合もあります。ですので、性分化疾患を持つ人の中には、たくさんの検査が完了した後でも、その原因を特定する、より正確な診断がつかない場合もあるのです。(もちろん、「性分化疾患」の診断はつきます)。このような状況は思っている以上によく起こります。これは、人の体の性の発達がとても複雑で、多くの要因を持っており、そのすべてが未だ解明されたわけではないからです。