(3)どのような治療をするかしないか、どのように決定されていくのが良いのでしょう?

性分化疾患を持つ子どものケアについては、積極的にご家族も話し合いに含めた決定が必要です。外科のお医者さんがこれが一番の治療だと、話し合い無しに既に決定した治療内容に、ご両親や子どもが同意するだけということは避けられねばなりません。ある程度成長した子どもやご家族には、さまざまな治療選択肢について、それぞれの必要性や、リスクと利点、その医学的エヴィデンスが伝えられねばなりません。

性分化疾患のケアについては、理想的には、なされた治療が何故どのようにして決定されたのか、患者さんのカルテに、十分に記録されるべきです。そうすることで、患者さんは後に、自分のカルテ記録を振り返ることができ、自分になされてきた治療の合理性を理解することもできるのです。性分化疾患を持って成人した人々が、自分自身の医療履歴を手に入れ、理解しておくのがとても役に立ったというお話はよく聞かれます。