(5)「シカゴコンセンサス」が推奨する医療のあり方と、現状の医療とでは大きな違いがあるように思います。

 「シカゴコンセンサス」が推奨する理想的な医療へは、未だ数々の障壁が存在します。ひとつには、心理学や遺伝カウンセリング、ソーシャルワークの、十分な訓練を受けた専門家がまだ少ないということもありますし、医療経済的な問題もあります。更に、質の高い性分化疾患医療チームに必要な専門家の中にも、まだ協働して医療に当たることに慣れていないお医者さんがいるという理由もあります。それは単純に互いの存在をまだ知らなかったり、どうすれば必要な協働体制を作れるかまだ模索中である段階だからです。

 私たちは、「シカゴコンセンサス」の推奨を順守し、患者さん・ご家族への最良の実践とサポートがなされる、性分化疾患のためのチーム医療が実現されることを望みます。