(7)お医者さんやご両親が、性分化疾患のケアのためのインフォームドコンセントについて知っておかねばならないことは何ですか?

 医療倫理としては、どのような治療をするかしないか決定し合意するという前に、患者さん本人とその家族は全てを情報開示されることになります。性分化疾患の医療では、外科手術やホルモン療法の治療介入の決定がそれにあたります。(もちろろんそれだけでもありません)。すべての情報を伝えられ、どのような治療をするのかしないのか決定をする人には、様々な治療法それぞれの必要性、リスクと利点、そして負担(体への負担もです)など、お医者さんが知っていることが伝えられねばなりません。お医者さんは、患者さんと家族に選択肢を提示し、どの治療法が推奨されるか、その医学的エヴィデンス(治療法の有効性や、短期、長期での患者さんの治療に対する満足度など、統計的に調査された証拠資料のことです)を正直に伝える必要があります。それぞれの治療選択肢の有効性のエヴィデンスがしっかりしたものなのか、それともまだそれほどはっきりしたものではないのかも家族に説明されねばなりませんし、治療介入をできるだけ少なくする選択肢も伝えられねばなりません。