スワイヤー症候群とは何ですか?

 スワイヤー症候群は、「XY性腺発育障害」とも呼ばれることがあります。スワイヤー症候群を持つ女の子は、XY染色体で、性腺が適切に発達していない状態で生まれるからです。通常、胎児がXY染色体を持つ場合、胎児は精巣を発達させ、その精巣は体の内側でも外側でも男性に特有の発達を促進します。ですが、スワイヤー症候群の場合、性腺(この場合は精巣)は「線状(病跡)性腺」と呼ばれる状態になり、そのため発達が男性特有のものにならなくなるのです。体の外側の発達では、外性器は女性特有の発達をします。体の内側では、胎児は子宮と卵管、頸部、そしてヴァギナを発達させることになります。

 通常、線状(病跡)性腺は、診断後速やかに切除されます。なぜなら、線状(病跡)性腺はがんのリスクが高いからです。この状態の女の子は、思春期を迎えると思われていた時期になるまで、スワイヤー症候群が判明しません。スワイヤーを持つ女の子は、典型的な女性ならば女性思春期の乳房、女性特有の体つきの発達、そして生理などをひきおこすはずの卵巣がないため、女性に典型的な思春期を迎えないからです。

 スワイヤーを持つ女の子は、ホルモン補充療法を受ければ、女性に典型的な思春期を迎えることができます。女性ホルモンの補充を受ければ、生理も起こる人がほとんどです。他の女性から提供された卵子を使って体外受精IVF)を受ければ、スワイヤーを持つ女性も、妊娠し、自然出産が可能です。

性分化疾患とは、「染色体、生殖腺、もしくは解剖学的に性の発達が先天的に非定型的である状態」のことで、「男でも女でもない」「中性」「第3の性」のことや、性同一性障害トランスジェンダーの人々、性自認のことではありません。)

(画像は、スワイヤー症候群を持つ女性、ノルマンさんです)。