「外性器形成不全」とは何ですか?

 「外性器形成不全」とは、男性もしくは女性に典型的とは言えない見た目で、いくぶんどちらともにも見える外性器を持って子どもが生まれた場合に使われる医学用語です。たとえばペニスが、典型的なペニスか典型的なクリトリスか見分けにくい発達をした状態のことを言います。(クリトリスとペニスは、発達上の「相同器官」、つまり、どちらも元をたどれば、同じ胎児細胞から発達してきたものです。そのため、ある人がペニスかクリトリスか見分けにくい発達をしたペニスで生まれてくることがあるのです。体の性の発達が真ん中の道をたどったとも言えます)。赤ちゃんが、性別がすぐには見分けにくい外性器を持って生まれた場合、大陰唇か陰嚢かが見分けにくい形を持っていることもあります。(これも、大陰唇と陰嚢が「相同器官」だからです)。

 赤ちゃんが外性器の特定の器官を明らかに失って生まれるということもあります。たとえば先天欠損の場合、陰嚢に精巣はあるのに、ペニスがない状態で赤ちゃんが生まれるということもあります。他のタイプの性分化疾患では、明らかにヴァギナが開いていない状態で生まれてくる女の子もいます。

 時には、一見どちらの性別両方ともの器官を持っているように見える状態で生まれてくる赤ちゃんもいます。たとえば、典型的な陰嚢に精巣があるような形で、性腺があるように見える大陰唇を持って生まれる赤ちゃんなどです。(この場合、性腺はヘルニアになっているの卵巣、あるいは精巣、あるいは卵精巣かもしれません)。大陰唇とヴァギナが開いた状態で、ペニスのようにも見えるクリトリスを持って生まれる赤ちゃんもいます。

 多くの様々な性分化疾患は、外性器形成不全の発達の結果なのです。

性分化疾患とは、「染色体、生殖腺、もしくは解剖学的に性の発達が先天的に非定型的である状態」のことで、「男でも女でもない」「中性」「第3の性」のことや、性同一性障害トランスジェンダーの人々、性自認のことではありません。)