カルマン症候群、視床下部性性腺機能低下症とは何ですか?

 「性腺機能低下症」とは、性ホルモンのレベルが通常よりも低い状態を表します。視床下部とは、脳の一部で、性ホルモンの生成レベルを調節するところなのですが、「視床下部性性腺機能低下症」では、視床下部が通常のようには働かないために、性ホルモンの生成量が通常より低くなります。視床下部性性腺機能低下症は「カルマン症候群」とも呼ばれ、XY男性、XX女性どちらともに見られますが、男性の方が多く見られます。

 通常、カルマン症候群は先天的なもので、胎児の発達段階から起こるものです。性ホルモンの生成量が低いと、思春期の遅れ・欠如などがありえます。カルマン症候群を持つ男性は、通常、ペニスが小さく、精巣が陰嚢に降りていない状態(停留精巣)で生まれてきます。

 カルマン症候群はまた、嗅覚がない、あるいは低い状態も起こります。稀なケースですが、思春期以降、頭への事故や脳腫瘍などにより、視床下部性性腺機能低下症が起こる場合もあります。

性分化疾患とは、「染色体、生殖腺、もしくは解剖学的に性の発達が先天的に非定型的である状態」のことで、「男でも女でもない」「中性」「第3の性」のことや、性同一性障害トランスジェンダーの人々、性自認のことではありません。)

(画像は、カルマン症候群を持つ男性ジャズシンガー、ジミー・スコットさんです)